1. HOME
  2. 長楽寺のご紹介
  3. 名園 満天星の庭

名園 満天星の庭

遠州三名園の一庭
満天星の庭
伝 小堀遠州作

 小堀遠州作と伝えられている回遊式庭園は遠州三名園として有名です。(静岡県指定文化財)
 日本庭園の形式である池泉鑑賞式と回遊式を合わせ持った形式で、北方の山波が借景。客殿からの眺めも良く、また庭園の中を自由に散策して鑑賞もできます。ドウダンツツジが植え込まれた庭園は、春に咲く愛らしく白くて小さい無数の花を星に見立て「満点星(ドウダンツツジ)の庭」と呼ばれています。秋の燃え上がるように赤く染まる様は圧巻。そして雪景色は粛然として心静かになる風情です。
 遠景となる奥山方面の山麓や光る岩座を借景に十三重塔や三尊石のある築山、その後ろの竹林を中景、築山手前の池と池被りの松の近景に見応えがあります。大小の切石の組み合わせも絶妙。池の左側にある亀石、右端にある鶴石は対になっています。
  客殿は1700年前後の建立、小堀遠州は1647年に亡くなっていますので、客殿の出来る前の風景はどのようになっていたのか。ちなみに遠州三名園の他二つは、NHK大河「井伊直虎」で有名になった両潭寺庭園と南北朝時代創建の名刹・本興寺庭園です。

綺麗さびの茶人
遠江守 小堀遠州
伝説の造園家

 作者と伝わる小堀政一(1579年〜1647年)は近江の国で生まれ、近江小室藩主で江戸初期の大名茶人。千利休、古田織部と続いた茶道の本流を受け継ぎ、徳川将軍家の茶道指南役となります。慶長13年(1608)駿府城作事奉行をつとめ、その功により諸太夫従五位下遠江守に叙任され、「小堀遠州」と呼ばれるようになりました。書画、和歌にもすぐれ「綺麗さび」という茶道を創り上げた方です。
 遠州は、作事奉行として、桂離宮、仙洞御所、二条城、名古屋城などの建築・造園にも才能を発揮。大徳寺孤篷庵、南禅寺金地院などが代表的な庭園です。