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情趣 名梅の古道

梅花が包み込み
本堂跡へいざなう
芳香漂う古道

 二月中旬から三月中旬。客殿の西側の道を上り、本堂跡へと続く長さ100メートルの古道に左右連なる梅が、歴史を感じさせる趣のある石段をつつみ込んで人々の心を捉えます。登り切り、振り変えれば早春の浜名湖の水面が輝きます。
 この梅は昭和22年の農地解放で寺領を失い一時荒廃した時、収入を確保するために寺が雑木林を開墾、実を取るために植えました。毎年春になると白や紅の花をつけ、辺りに梅香漂わせます。

 青梅がたわわに実る頃、三ケ日みかんで有名な奥浜名湖はみかんの花香も漂います。弘法大師空海が愛媛の蜜柑を読んだ詩も、どこかでこの地方の風景も想起させます。

   桃李珍なりと雖も寒に耐へず
   豈柑橘の霜に遇つて美なるに如かんや
   星の如く玉の如し黄金の質なり
   香味は簠簋に実つる耐へつ応し
   桃李は珍しいけれども寒さに弱く
   蜜柑が霜にあって いよいよ美しいのに及ばない
   星や玉に似て そのもちまえは黄金である
   そのかぐわしい味は 供物の籠いっぱいに充ちる

 訳/桃は珍しいけれども寒さに耐えられない。みかんが霜に遇っていよいよ美しいのに及ばないのではなかろうか。星や玉のようであり、黄金の品質である。その香りは、祭祀の供え物箱にいっぱいに満ちている。はなはだ珍奇、珍妙なる味はどこからもたらされたのだろうか。これはきっと天女、西王母がふるさとであろう。千年に一度聖人が現れるというが、それを表している。木に攀じのぼって実を摘んで、我が聖人たる帝に献上致します。